cecile's Bathroom

都内勤務の会社員。女の子がバスルームで過ごす時間のようなブログ。

【映画】黄金のアデーレ(ネタバレです)

今日は、11/27の公開からずっと観たかった黄金のアデーレを観てきました。今回は、わたしが卒業論文の題材にもしていた、クリムトの作品についての映画です。
オーストリアにも行ったことがあるし、美術も勉強していたので、今回はネタバレありで感想を書きます。

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パソコンだとリンクが貼れるみたいなのだけれども今日はアプリからの更新…

まあまあそれはいいとして。
今回の作品は、実話に基づいた映画。
オーストリア・ウィーンが誇る、名画家クリムトの作品、「黄金の女」を巡る物語。
この絵画のモデルになった、ユダヤ系商人の妻であるアデーレ。
アデーレは1925年に髄膜炎で亡くなり、遺言として、この絵を「オーストリアルーブル」といえるような美術館「ヴェルヴェデーレ美術館」に寄付するようにと残す。
しかし、その後時代は急変、ナチスによる侵略により、オーストリアは悲惨な状態に。
ユダヤ系だったアデーレの家は、その絵を飾っていた自宅や資産ごとナチスに押収されてしまい、作品は盗まれてしまいました。
アデーレの旦那は、急遽遺言内容を変更し、絵画はすべて親族に残すようにと。

この遺言をもとにして、オーストリアから逃げてきて、現在アメリカに住んでいる親族が絵画をオーストリアから取り戻す、という物語。


絵画は、やはり持ち主の元に戻されるべきだと思うし、ナチスの過ちにより、オーストリアの人たちは悲劇に見舞われたであろうけれども、クリムトの祖国のオーストリアから作品が出ていき、異国のアメリカに飾られるというのはなんとなく腑に落ちないなぁと。
日本でも、日本の美術品がたくさんアメリカにある。
もちろん、この事実は戦争や持ち主のところから勝手に持ち出されたわけじゃないから、まったく問題のないことなのだけれども、日本にとって本当に貴重な着物や浮世絵はほとんどボストン美術館やなんかにあって。

日本人として、そういうものを過去の人たちがオークションに出したり、捨てたりしていたがために自国に美術品がないのはとても悲しいなと思っていて。

やっぱり、その土地で描かれたものはその土地で鑑賞されるのが一番素敵に見えるのではないかなと思います。

ちなみに、この絵は現在NYにあって、エスティローダーの会長?が買い取ったそうです。


今回は日比谷シャンテのスクリーン1。
I-9で鑑賞。
ここのスクリーンは、後ろより真ん中ぐらいが見やすいみたい。
FかGぐらいの9が見やすそうでした。