【映画】ザ・スクエア 思いやりの聖域
リューベン・オストルンド監督作品。
この見せ方、問題の取り上げ方、なんとなく既視感?と思ったら実は2014年のTIFFにて鑑賞した、未発表の作品『プレイ』(11)の監督でした。
『プレイ』を観たときも、現代社会の闇を凝縮したような、見て見ぬふりをしていた問題を目の当たりにされたような感覚。
すごく衝撃的な作品で、今でも鮮明に覚えている作品です。
考えても答えが出なくて、観終わっても、まだちょっと考えてしまうような作品。
自分の日々の行動を思い返しても、自分は「善き人」ではないなってちょっと落ち込んでしまう。
この『THE SQUARE』も同様に、見て見ぬふりをしていた社会問題についてインテリジェンスを持った人の視点からエレガントに描かれている作品。
美術館の館長のクリスティアンは、すべての人に平等に接しなければいけないというモラルのある行動をしなくてはいけないと思いながらも、責任をどのようにとるか、悩み、葛藤する。
非常に、哲学的で面白く、考えさせられるいい映画でした。
それにしても、最近は移民問題についての映画が多くて、ヨーロッパではかなり深刻な問題になっているんだなと感じます。
(ハネケの『ハッピーエンド』でも取り上げられていたように)
最近はSNSを通して描かれる、セルフィッシュな大人たちや移民問題などが描かれている欧州映画が多くて、いろいろ考えちゃうね。
『ラブレス』も非常に興味深く、面白い作品でした。